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西村寿行 「犬笛」 

犬笛
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starゴールトン・ホイッスル(犬笛)で結ばれた父と娘と愛犬の壮大な物語

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話の筋としては、娘を誘拐された父親が飼い犬とともに娘を追いかけ
誘拐犯を探すというストーリー。

母親は心が弱く、しかも娘を産んだ後不妊になってしまったので必要以上に娘を溺愛していた。それが誘拐されてしまったことで、心を病んでしまい父親にしても娘を追いかけるために妻の世話ができないので、精神病院に入れる。

ある程度、娘の行き先が判明した父親が妻のところを訪れると、病んでしまったせいか、病院の青年医師に欲情をこもった瞳を向けている妻の姿があった。
何かが壊れたことを確信した父親は、そっと飼い犬である「鉄」に告げる。

「もう忘れるのだ、鉄」

娘を誘拐され、妻が壊れてしまった男の悲哀がただようシーンだった。



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[ 2009/10/17 17:01 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

米澤穂信 「儚い羊たちの祝宴」 

儚い羊たちの祝宴
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追想五断章 ボトルネック 秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫) 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) インシテミル



最後のどんでん返しに重点をおいた、ミステリー短編をあつめた作品集。
もちろん、このBlogでとりあげる以上ミステリーのことをどうにかこうにかいいたいわけではないのは、お分かりと思う。

【玉野五十鈴の誉れ】
とある地方の大地主小栗家、そこの孫娘純香の視点で綴られる。
小栗家は、純香の祖母が絶大な権力をもち、祖母からみて娘である純香の母でさえ祖母の意見に逆らうことはできず唯々諾々とし、婿養子である純香の父にいたっては、種つけるために存在しているとばかりに、祖母からは存在無視された状態。

その小栗家でミステリーな事件がおこるが、それはまあこのBlogでは置いておいて、話の中で純香の父の兄が犯罪を犯して逮捕される。
それを知った祖母は、純香の父の血族は汚れていると判断し、ムリヤリ離婚させる。本来後継者であった純香も汚れた血を引いているということで、廃嫡され、純香の母は他の名家から婿を新たに迎える。

そのときの純香の心情の記述が
「わたしは母を可哀想に思い、父をみじめだと思った。」とある。

まったく知らない男に、種付けのためだけに身を捧げなければならない母、愛する妻が違う男に抱かれるのを遠くから見守ることしかできない父。
その状況を端的に表しているよね。

その後種付けは成功し、後継者となる男の子産むが、事故でその子は死にショックからか祖母も後を追うように死ぬ。

小栗家当主となった純香の母は、種つけるだけだった新しい男を追放し、純香の廃嫡を解き、純香の父を呼び戻しているところから父と母に絆があったということだろうね。
呼び戻された父の内心はどうなんだろう?本文では何にも記述されていないが、他の男に抱かれ、子供まで生んだ妻。
キビシイねえ。

ミステリーだし、主人公は純香なんで父の描写なんてほとんどないのだけど
想像だけでここまで書いてみた。

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[ 2009/10/13 05:34 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

村山由佳 「すべての雲は銀の…」 

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すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫) 永遠。 (講談社文庫) 星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫) 夜明けまで1マイル―Somebody loves you (集英社文庫) 野生の風 WILD WIND (集英社文庫)



かなり以前にメールにて教えてもらった小説です。
なかなか読む機会がなくて、Blogに取り上げることができませんでした。
情報提供ありがとうございます。

話の筋は恋人を兄に寝取られた青年が、信州のペンションで生活していくうちに現地のひとたちとの交流で心を成長させていくっていうものなんだけど。
すべてを吹っ切って新しい生活をしようとしているのに、共通の友人を通して兄と裏切った彼女の情報が継続していくので主人公の心理的逃亡を許さないというか、すごい畳み掛けてくるよ。欝を。

結局発覚したあとの話なので、直接寝取られ描写はないし、元彼女も回想シーンでしかでてこない。
ただひたすらに寝取られた男の苦しみが淡々と描写されていくので、そういうのがたまらないという曲がった性根の持ち主なら楽しめる一冊。

[ 2009/03/13 17:04 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

「怨霊孕む」 西村寿行 

怨霊孕む (徳間文庫)
怨霊孕む (徳間文庫)

・あらすじ
南北朝後期。熊谷義直は桔梗ヶ原の戦に敗れ、伊那谷に落ちた。郷主を襲い押領するしか生きる道はない。栗野家を襲い、妻の真澄を略奪する。長子を斬殺したとき凶兆が現れた。以来、熊谷家は白い小児の貌の怨霊に蝕まれてゆく……長篇伝奇巨編。


押領とは結局略奪のこと。
武士集団が、生き残るために大して武力を持たない半分農民のような領主を殺し、その妻や娘を奪う。もちろん男は皆殺しという鬼畜展開であるが、当時の力こそすべての世相を描いていてかなり生々しい。

その後奪った女の真澄と当主義直は心が通い始めるのだけど、そんな平穏なときに謎の山伏が現れて真澄に呪力による催淫性のあるマインドコントロールを施し、レイプする。
その場面をみた下女が義直に告げて…

と西村作品で定番の寝取り寝取られ
さらに寝取れて後の苦悩の様子もなかなかのシーン。

時代小説としてもかなりの良作ですので、NTR目的以外でもオススメの一冊かと。
やはり70年代80年代の作品は総じていいですね、西村寿行。


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[ 2008/04/11 00:32 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

不倫狩り 北沢拓也 

不倫狩り不倫狩り
北沢 拓也


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あらすじ
夫が単身赴任中に売春で摘発された妻。企業戦士の留守宅を守る若妻たちの不倫の調査を始めた乗木広明は、イラン出張中の社員の妻から、石油利権獲得に暗躍する産業スパイとその黒幕沢井の策謀を知る。妻たちを巻き込んだ石油戦争の渦中に飛び込む乗木。そして彼が会社の上層部から極秘で指令された夜の管理職とは。長編官能サスペンス。


時代設定は20年くらいまえのバブル直前の日本。
英語で「sougoushousha」なんて言葉ができるくらい狂ったほど日本人が世界で暴れまわっていた時代だ。

旦那が単身赴任中、日本に残っている人妻たちを篭絡しようとする敵商社の男と、それを防ごうとする主人公の暗闘なんだが、その篭絡する手口はSEXということで、どのみち単身赴任してるほうとしてはたまったもんじゃない話だね。

しかし話の展開がダイナミックでそれはそれで面白かったですわ。



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[ 2008/02/06 00:57 ] 小説 | TB(0) | CM(5)








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